電気代・ガス代は今後どうなる?エネルギー価格の高騰と、見通しを検証! 2023年 04月 07日
2021年以降、世界的にエネルギー価格が高騰し続けています。電気代・ガス代の明細を見てビックリした人も多いのではないでしょうか?
【第133-1-2】素材分野及び組立加工業における企業物価指数の推移
■参照ページ 世界的なエネルギー価格の高騰が日本に与える影響 │ 令和3年度エネルギーに関する年次報告 資源エネルギー庁
そこで今回は、エネルギー価格の高騰が、今後の私たちの暮らしにどう影響していくのかを解説していきたいと思います。ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
【電気とガスの値段ってどうやって決まる?】
そもそも、電気やガスの料金はどうやって決まっているのでしょうか?
■電気:
契約容量によって決まる「基本料金」、使用料で計算される「電力量料金」、そして国が定めている「再生可能エネルギー発電促進賦課金」、この3つを合計したものです。
※「燃料費調整単価」:
輸入原材料価格の変化に対応するための調整費。今は世界情勢を受けて値上がりし続けています。(詳細は後ほどお伝えします)。
■ガス
家庭用のほとんどが都市ガスかプロパンガスなので、今回はこの2つについてご説明します。
【都市ガス】
「基本料金」と「従量料金」の2つの組み合わせで決定されています。
※「単位料金」は原料価格の変動に応じて、この金額を毎月調整します。
【プロパンガス】
内訳は都市ガスと同様ですが、自由料金制になっていて、法律などによる規制がなく統一されたルールもないため、どの地域・会社から買うかによって料金が異なります。そして都市ガス・プロパンガスにも、電気と同様に原料価格変動を料金に反映させる「調整制度」があります。
【エネルギー価格高騰の背景と今後の予測】
冒頭で世界的にエネルギー価格が高騰し続けているとお伝えしました。次に、その背景を探ってみましょう。
例えば原油。価格高騰のひとつの要因として生産調整が挙げられます。 2020年の価格低迷による生産減や、OPECプラス(石油輸出国機構+ロシアなど非加盟主要産油国)の協調減産による在庫の低下が価格の上昇に影響を及ぼしました。
別の理由としては、新型コロナウイルスからの経済回復によるエネルギー需要増加や、天候不順・災害、さらにウクライナ侵攻が挙げられます。欧州では制裁としてロシアからの天然ガスの輸入を他の国・地域へ切り替えましたが、もともと欧州ではエネルギー関連製品の輸入は高水準でロシアに頼っていました。急な共有元切り替えにより需要と供給のバランスが崩れ、世界的な価格高騰に繋がりました。
更なる追い打ちとして、天候不順により風力発電の発電量が低下、代わりにガス火力発電量が増加したことで、ガス価格も高騰しました。
そういったことから、欧州では過去ありえない燃料費の高騰を記録し、市民生活が立ち行かなくなっているケースも見受けられるようです。天然ガスの価格と例にとると、オランダでは指標価格が2022年6月上旬の20ドル台半ばから、8月には90ドルを超える最高値を更新しました。
そして皆さんご存じのように、日本でもエネルギー価格高騰の影響が表れています。 前述の理由などによる原油価格の高騰を受けて、ガソリンをはじめとする燃料価格が高い水準で推移しています。
また、電気料金の月別平均単価を見ると、2021年8月から2022年8月にかけて家庭用は約20%、産業用は約40%上昇しています。都市ガス料金の月別平均単価も、2021年8月から2022年8月の期間で家庭用が約30%、産業用が約80%上昇しています。
では地域別にもう少し詳しく見ていきましょう。
今回は最も契約者数が多く、最もベーシックな従量電灯プランで電気料金を比較しました。
1か月の使用電力量は、一般家庭での平均的な使用量である300kWhで比較してみると、全国で最も電気代が高かったのは、北海道電力で9,423円。東京電力では8010円、関西電力では7118円という結果でした。
2023年4月以降、各地の大手電力会社において、電気料金の値上げが行われます。またこれに伴って、料金改定を行う新電力もあると予想されています。
これを踏まえ、日本政府では私たちの暮らしに急激な悪影響が出ないよう対策が打ち出され、2022年1月から「燃料油価格激変緩和対策」が実施されています。
例えばレギュラーガソリンの全国平均小売価格は167.9円/L(2022年12月現在)に抑制されています。この対策は2023年前半にかけても引き続き実施される予定です。 電気・ガス料金の高騰に対しても2023年1月から激変緩和対策が実施され、電気は低圧契約(家庭用)で7円/kWh、高圧契約(産業用)で3.5円/kWh、都市ガスは30円/m3が補助されます。これまでお伝えしたように、世界のエネルギー価格は爆発的に上がっていることと、日本のエネルギー輸入の関係を考えると、今後更に光熱費が上がる可能性が高く、現在東京ほど影響を受けていない関西、大阪でもますます高騰することが予測されます。
今後、エネルギー問題がどうなっていくかは、専門家であっても確実に予測することは難しい状況ですが、仮にウクライナ問題が収束したとしても、すぐにロシア産のエネルギーを西側諸国がまた使用し始めるとは考えにくいでしょう。平時だったとしても、世界人口が80億を超えたことや、インドの経済的な台頭を考えても、エネルギーは今後も注視すべき問題だと言えます。政府の対策に頼るだけでなく、家庭でできる節電対策などに取り組んでいくことも大切ですね。
では、「住宅」という観点で、対策として何かできることはあるのか、次の章でみていきましょう。
【家づくりでできる省エネ対策を上手に実践していきましょう!】
ご家庭の電気・ガスといった光熱費が高くなりがちな今、快適に暮らしながら少しでも節約するには、お家に「省エネ」を取り入れることが大切です。
季節に関わらず一番電力を消費するのはエアコンと冷蔵庫です。そのためエアコンを推奨温度(冷房時は28℃、暖房時は20℃)に設定する、冷蔵庫を冷やし過ぎない温度設定にするなど、身近ですぐにできることは色々あります。
そして、これから新しくお家づくりをする方は、「初期投資」と「ランニングコスト」を長い目で見て、ほんとうにお得な家づくりを考えていただきたいと思います。すなわち断熱性を上げることで光熱費を抑え、元を取るという考え方です。特に熱が逃げやすい窓やサッシの素材と、床・壁・天井の断熱材は大切です。さらに省エネ住宅はさまざまな補助金や税の優遇を受けることができます。
また、エネルギー供給への不安が高まるなか、家庭でエネルギーを作り、溜めることができる「太陽光発電」や「蓄電池」が、改めて注目され始めています。これから家づくりをお考えの場合、太陽光発電システムを取り入れたZEH(ゼロエネルギーハウス)仕様にすることで、補助金を受け取ることができます。
既に太陽光発電を使っている人のなかには、蓄電池を設置して電気を自宅で消費する動きが加速しています。電気を売るのではなく、家族で使ったほうがお得だからです。では蓄電池の費用はというと、およそ小さいもので70万円、大きいもので200万円以上かかります。正直、高価だと感じますよね。
そのため、国や自治体から補助金制度ができています。さらに、電力会社によっては、購入費用の負担を分散できるリース、レンタルサービスも提供されていて、蓄電池は以前よりも導入しやすくなっているんですよ!
次に、現在の電気・ガス会社の見直しをしてみるのもオススメです!電気は2016年4月1日から、ガスは2017年4月1日から、家庭に合った料金・サービスを選択できるようになりました。特にガスは切り替えられることをご存知でない方も多く、この機会に見直してみてはいかがでしょうか?ポイントサービスや定額制、セット割など、料金メニューが多様化しています。
・大阪ガスなら電気、更にインターネットもとまとめることでお得になるプランもあります。
2023年4月からは、電気・ガス代が更に値上げされました。
野村工務店では、お家のエネルギー対策はもちろん、国の補助金制度などのご相談やご説明もお受けしています。この機会に、ぜひお気軽にお問合せください!
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