「脱」塩化ビニル製品への世界の取り組み
ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride, 以下PVC)は、略して「塩ビ」「塩化ビニル」とも呼ばれ、多くの日用品に使用されてきました。PVCはもともと、水道管の配管のように硬いプラスチックですが(=硬質塩ビ)、「可塑(かそ)剤」を大量に加えることで、柔らかい塩ビになります(=軟質塩ビ)。
空気が違う。住み心地が違う。
住まいの安心安全を考えた素材
「しっくい」は優れた壁材
世界も認める「天然素材」のしっくい
「天然素材」へのこだわり
野村の家に暮らす人々が
健康であってほしい
ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride, 以下PVC)は、略して「塩ビ」「塩化ビニル」とも呼ばれ、多くの日用品に使用されてきました。PVCはもともと、水道管の配管のように硬いプラスチックですが(=硬質塩ビ)、「可塑(かそ)剤」を大量に加えることで、柔らかい塩ビになります(=軟質塩ビ)。
※1「優先評価化学物質のリスク評価(一次)クロロエチレン(別名塩化ビニル)」
厚生労働省・経済産業省・環境省 2016年12月
「別添2-2 塩化ビニルモノマーに係る健康リスク評価について」
環境省 2016年12月
利便性の高い塩ビですが、近年、EU・北米・アジアを中心に、
① 製造過程で塩素ガスが発生することによる環境破壊・人体への発ガン性リスク
② 火災燃焼・焼却時に発生するダイオキシン
③ 加工工程で使用する可塑剤に発がん性物質や環境ホルモンが含まれる
といった理由で、製造工場やその工程、また製造品の輸出入について規制が行われています。
日本では現在製造に対する規制は行われていないものの、経済産業省と環境省・厚生労働省を中心にこうした問題への議論※1が行われています。
HEALTH &
ENVIRONMENTAL ISSUES
「自然を大切にしているか」の企業理念のもと、常に建材や施工方法を模索し、長い目で見たとき、お客様への害悪が懸念されるものは用いず、より良い住まいを作れるよう試行錯誤しています。
プラスチック・塩化ビニル製品に
対する
世界の歩み
10年ほど前からポリ塩化ビニルの害悪性は指摘されてきていました。そこに、2015年のSDGs宣言によって塩化ビニルを含むプラスチック全般の使用削減や、プラスチック産廃物の受入国への輸出の全面禁止といったより大きな取り組みが世界各国で行われています。
Global Environmental Initiatives
提供:WWFジャパン
「ケニア・ワタミュビーチに打ち寄せられたプラスチックゴミ」
バーゼル条約とは正式名称「有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約」で、2022年現在、世界181ヵ国とEU、パレスチナが加盟しています。
提供:朝日新聞デジタル 「2011年東ソー南陽事業所での塩化ビニルモノマー工場爆発事故」 周囲への火災由来の猛毒ガスの影響が懸念された
※2 「Polyvinyl Chloride and Copolymers Production: National Emission Standards for Hazardous Air Pollutants」 EPA(アメリカ環境保護庁) 2012年2月
※3 「米国及びEUにおける内分泌かく乱物質の規制動向」 経済産業省 2021年8月
※4 「Modification of Definition of Sport Fishing Equipment Under Toxic Substances Control Act」 2020年10月
※5 「Substances of very high concern identification」ECHA(欧州化学品庁)
※2 「Polyvinyl Chloride and Copolymers Production: National Emission Standards for Hazardous Air Pollutants」 EPA(アメリカ環境保護庁) 2012年2月
※3 「米国及びEUにおける内分泌かく乱物質の規制動向」 経済産業省 2021年8月
※4 「Modification of Definition of Sport Fishing Equipment Under Toxic Substances Control Act」 2020年10月
※5 「Substances of very high concern identification」ECHA(欧州化学品庁)
デメリットを解決したいと
野村は考えました。
自然の力がもたらす
4つのメリット
マルモは成分が天然素材でつくられており、人体にとって様々な恩恵をもたらします。
しっくいは、多孔質という表面に小さな穴がたくさん空いている構造をしているため、吸着力が働き、様々な微細な物質や水蒸気を吸い込みます。周辺の湿度が高い場合は吸収、低い場合は放出という働きをするため、自動的に湿度を調節して、結露や不快なジメジメを防いでくれます。
室内の湿度が高くなると湿気を吸収
室内が乾燥していると湿気を放出
しっくいの主成分である消石灰(水酸化カルシウム)は高アルカリ性なので、細菌発生・増殖予防効果に優れ、人体に害のある菌やウイルス、カビを99.9%不活性化させます。
また吸湿・放湿効果により、カビや菌が増えにくい環境を同時に整えてくれます。
人体に優しい2つの特性
高アルカリ性が
菌・ウイルス・カビを
不活性化させる
+
調湿機能によって
カビや菌が
繁殖しづらい
一般社団法人カケンテストセンターの実験でもマルモの壁にカビの発育が認められず、
性能の高さが実証されました。
化学物質吸着実験の結果、アセトアルデヒド濃度がほぼ半減、トルエンの濃度は1/5以下、ホルムアルデヒド濃度はほぼゼロに。
接着剤などの化学物質を使用していないため、揮発性有機化合物が材質自体から放出されることもほとんどないので安心です。
※一般社団法人カケンテストセンターによる試験
ホコリの成分の約70%は衣類などから出る繊維で構成されており、静電気による繊維吸着が多くのホコリを生んでいます。塩化ビニルは帯電しやすい素材のためホコリが発生しやすいのに対し、ほとんど帯電しないマルモはホコリを防ぐ効果があり、室内の空気を清浄に保ちます。
詳しくはこちら※一般社団法人カケンテストセンターによる試験
※一般社団法人カケンテストセンターによる試験
しっくいの壁のことならなんでも聞いてください
建築用の木材とマルモは、ともに呼吸をする自然素材。それぞれの収縮率が違うため、部屋の角など壁の接合部にヒビが入ることも。構造上は問題ありませんが、気になる場合は市販のコーキング剤で埋めてください。
マルモの壁は、職人が一人ひとり手作業で仕上げています。ビニルクロスのような工業製品ではないため、多少の塗りムラが現れますが、自然な風合いを楽しんでいただけたらと思います。
珪藻土は藻類(プランクトン)の死骸が水底に沈没し、粘土状になったもの。自然素材ですが合成樹脂や化学糊などで固めて壁にするため、接着剤に含まれた化学物質がアレルギーの原因となる可能性があります。マルモは成分の100%が天然素材なので安心です。
画鋲を刺すことは可能です。画鋲を外した時に空いた小さな穴は、筆などにマルモをつけて補修をすればふさがります。物をぶつけた時にできた穴なども、同じ方法で埋められます。
マルモは吸湿効果がありますので、お風呂上がりなどの湿気を吸ってくれます。また、カビが発生しにくいという性質もあるため、脱衣所をクリーンに保てます。
マルモは吸水力がとても強いため、色のついた液体は中までしみ込むことが。調湿効果は落ちませんが、気になる場合は汚れた部分を粗めのサンドペーパーで下地が見える程度まで削り、筆や指などでマルモを塗って補修をしてください。
How plaster is made
Plaster Care